約 105,182 件
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/909.html
「やっとセンターの会場に着いた」 「君の家から自転車で20分だね。開始まで2時間と35分」 センター会場であり、俺達の志望校である地元の国立大学に来ている。 俺の家からは若干近いということで、ここ1月ばかり佐々木は俺の家に泊まり込みの家庭教師をしている。 おかげで学校では変な目で見られる。まー、目の保養ができて結構なんだが。 「開場まで1時間半もある。寒くて風邪をひくかもしれんぞ」 「そのへんはぬかりは無いよ。歩いて3分の所の喫茶店が空いている。この時間なら席も埋まって無いはずだよ」 「さすが佐々木」 喫茶店にて 「持ち物確認だ、鉛筆、消しゴム、時計、受験票・・・・全部あるね」 「俺の・・・方も・・全部・・・・・ある・・・」ガクガク 「キョン君は緊張しているのか?」 「何故か・・・震えが・・・」 「アメリカの首都といえば?」 「・・ボストン・・」 「ワシントンじゃないか」 「・・そうだっけ・・」「・・・・」 「しまった、大切な物を忘れた。キョンすぐ戻るんだ。今なら余裕で間に合う」 「それは大変だ、すぐ帰ろう。で何を忘れたんだ?」 「ブラをつけるのを忘れた」 ~(にょろーん) 「それは大変。じゃなくて、ちゃんと着けてるのでは?今日着けているのはっきりと見たぞ」う、しまった ~(にょろーん) 「つまり、覗いたということだね」 「すいません、すいません、すいません」 (全く、正直に言ってくれたら、いつでも見せてあげたのに) 「反省してます。許して下さい」 「そうだね。センターで僕より点数が高かったら許してあげよう。低かったら、僕の願いを一つきいてもらうよ」 (結婚届けにサインだね) そして (まさか僕より良い点数取るとは。君が僕だけの物になるには、もう少しかかりそうだね。やれやれ) (エロくなってすいません)
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1258.html
第一回SOS団会議ゲーム 3連休中のSOS団+佐々木団の活動を決定するために会議ゲームを行なった。 ルール 議員各人がカードを駆使して会議を行なう。持ちカードは常に4枚 委員長は議論に参加できない 過半数が賛成ならその時点で決定 ゲーム内時間切れ時点で案が一つだけなら、それに決定。二つ以上あれば投票、それで過半数が賛成する案があれば決定 時間切れ時点で案が一つも無い場合、最終投票でも決まらない場合、委員長が決定する 主なカードの種類 提案:案を提示できる 拒否:提案、裏取引を拒否できる 賛同:案拒否の効果を打ち消す。案提案をしていない者にできる 裏取引:1名を強制賛成させる 時間稼ぎ:残り時間が少なくなる3-10分 延長:残り時間が増える5-15 振り:誰かに会話を振る 逆振り:議論の順番を逆にする 議員(並び順)ハルヒ、古泉、佐々木、みくる、谷口、国木田、橘、九曜、長門 委員長:キョン 欠席:藤原 早速会議が始まった ハルヒ「提案:土曜=ツチノコ探索、日曜=ツチノコ探索、月曜(祝)=ツチノコ探索」残り29分 谷『おいおい、またツチノコかい。ツチノコは良いけど今度は遭難しないようにして欲しいな』 国『落ち着いて、谷口』 み『遭難はもう嫌でしゅ』 古泉「振り:涼宮さんどうですか?」残り28分(次番ハルヒ) ハルヒ「裏取引:有希あたしの案に賛成しなさい」、長門「…拒否:断る」残り27分(次番古泉) 古泉「逆振り:涼宮さんどうですか?」残り26分(次番ハルヒ) ハルヒ「振り:古泉君どうかしら?」残り25分(次番古泉) 古泉「時間稼ぎ:10分」残り15分(次番ハルヒ) ハルヒ「振り:古泉君どうかしら?」残り14分(次番古泉) 古泉「逆振り:涼宮さんどうですか?」残り13分(次番ハルヒ) ハルヒ「時間稼ぎ:10分」残り3分(次番長門) 橘『全然出番がないですね、佐々木さん』 佐『橘さんの言う通りこのゲームはルールに問題がありそうね』 谷『2人だけの世界に入るな。せっかく来たのに1回も参加してないぞ』 国『僕もだよ、谷口』 み『あたしは変なのに決まらなければ良いだけですけど』 九『―――』 長『…』 これまで3人しか参加していないのに、残り3分か。たかがゲームで雰囲気が悪すぎるぞ。長門「…提案:土曜=図書館、日曜=図書館、月曜(祝)=図書館」残り2分(次番九曜) 長門の提案は予想通り図書館か 九曜「――延長:5分間」残り7分(次番) 橘「えーと、振り:佐々木さん何か意見はありませんか?」残り6分(次番佐々木) 佐々木「拒否:涼宮さんの案には賛成できないよ。くつくつ」古泉「僕は賛成ですよ」残り5分(次番古泉) 古泉「拒否:長門さんの案には賛成できません」九曜「賛同:―――私は――――賛成」残り4分(次番ハルヒ) ハルヒ「拒否:有希の案には賛成できないわ」→長門の案が拒否、残り3分(次番長門) ここまでで残っているのはハルヒの案だけか… 長門「拒否:涼宮ハルヒ、あなたの案には賛成できない」→ハルヒの案が拒否、残り2分(次番) 九曜「沈黙:――――」残り1分(次番) 橘「提案:土曜=佐々木さんの魅力を語り合う、日曜=佐々木さんの魅力を語り合う、月曜(祝)=佐々木さんの魅力を語り合う」終了 結局、橘の案が採用された。 ハ「何よこんなイベント認めないわよ」 古「涼宮さん落ち着いて」 佐「橘さんったら」 み「楽なイベントで良かったです」 谷「出番が全く無かったぞ。誰だこの糞ゲームを提案したのは」 国「キョンだよ」 キ「谷口も最初乗り気だったじゃないか」 橘「やったのです」 九「―――」 長「……」 (終わり)
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1677.html
キョン「ん。なんか今日は白檀の香りがするな」 あれは中学時代の下校時だったろうか。 いやそんな時間のはずはないな。それは俺の隣を定位置と決めて掛かっているらしい、あの佐々木の香りだったのだから。 隣席から身を乗り出し、俺の机に肘をかけた見慣れた格好から どことなく嗅ぎ覚えのある香りがした。 白檀。ビャクダン科の半寄生常緑高木。インドから東南アジアにかけて産し、約二〇種がある。 心材は淡黄色で堅く芳香があり、仏像や扇の材として珍重される。 細片は香にし、また白檀油を得る。 よく言う「栴檀(せんだん)は双葉より芳(かんば)し」の栴檀とは、白檀の事なのだと前にコイツから聞いた事があった。 まあぶっちゃけお線香の香りを想像して頂きたい。 佐々木「ああ、すまない。最近愛用していた香水を切らしてしまってね…よければ少し離れてくれるかな、キョン」 キョン「俺は好きだぞ、こういう匂い」 佐々木「おやおや、そんなに僕の香りが気に入ったのかい?」 キョン「…それよりもお前普段香水つけてたのか、なんか意外だな」 佐々木「くっくっく。これでも生物学上は女性なのでね。香りというものには気を遣うのさ」 佐々木「それより先に言う事があるんじゃないかね?」 キョン「ああ。おはよう佐々木」 佐々木「ああ、おはよう」 いつもの偽悪的とも言える微笑が、緩んだ気がした。ゆるりとした、それは淡い少女の微笑み。 ああ、栴檀(せんだん)は双葉より芳(かんば)し、とは良く言ったものだね。 こいつがいつか「女」になった時、傍らには……いや。 ……雨のせいだな。なんだこのこっぱずかしい感想は。 北高の窓から見上げた空。しとどふる雨。窓が、そんな梅雨の日の思い出をひとかけらだけ閃かせたような気がした。 ~最後に、佐々木さん視点でご覧頂こう キョン「ん。なんか今日は白檀の香りがするな」 佐々木「ああ、すまない。最近愛用していた香水を切らしてしまってね…よければ少し離れてくれるかな、キョン」 佐々木(普通のお線香ならともかく蚊取り線香の匂いを嗅がせるわけにはいかないのでね……)
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/175.html
佐々木さんはブルース・ウィリスに詳しいの巻 キョン「いやー、やっぱりダイ・ハードは1が最高だよな」 佐々木「僕をビデオの鑑賞会に呼び出して、その作品選択はどうかと思うのだがね」 キョン「いや、他の連中だと、 国木田はもう見飽きたって拒否するし、 谷口は那智声のマクレーンになりきってアホやるから迷惑だし、 ハルヒと来た日にゃ、途中で興奮して手足振り回して痛いし、 挙句テロでも実現されたらたまらんし、 長門には作中のジョークをいちいち解説する必要があるし、 朝比奈さんは最初の銃撃シーンで気絶しちまうからダメだし、 なかなか一緒に見てくれる奴がいないんだ」 佐々木「あの古泉くんだっけ? 彼はどうなんだい」 キョン「いや、なんか危険な気がして……主に尻が」 佐々木「しかし、相変わらず君は、平凡な日常に埋没する風を装いながら、 どこかで刺激的な日常を望んでいるのだね。ことごとにそういう作品を好むのが いい証左さ」 キョン「いくらなんでもフィクションと現実の違いぐらいはわきまえてるつもりだぜ。 現実だったら、こんなに連続して厄介ごとが舞い込んだら、途中でぶち切れて終わりだろ」 佐々木「そうかね、君は意外に「物語の主人公」が似合う気がするよ」 キョン「よせよ、俺は平凡な通行人Aが関の山さ」 佐々木「どうだろう ----佐々木さんちょっと想像---- NY市警キョン・マクレーン。何故かゆく先々でフラグをたてまくる運の悪い彼は、 遅い来るフラグを次々になぎ倒し、不屈の精神でへし折り、事件を力技で解決するのであった。 ナカトミビルで「閉鎖空間」を作るハルヒに巻き込まれた彼は、 たった一人で遅い来るフラグを不屈の無意識でたたき折る。 人はそんな彼を、(旗を)不立の男、フラグ・ハードと呼ぶのであった。 ----佐々木さん想像おしまい---- キョン「おい、どうした佐々木? 急に腹を押さえて。盲腸か!?」 佐々木「ふ、腹筋がよじれた……」 キョン「しかし、2はまだ許せるが、3は蛇足だよなあ。4.0は大丈夫かねえ」 佐々木「そういえば、ティアーズ・オブ・ザ・サンは元々ダイ・ハード用の台本だったらしいね」 キョン「まあ、1の神脚本が最初に出ちまうと、続編作るのも大変だとは思うがね。 神といえば、1のウィリスの若いこと。髪もフサフサだぜw」 佐々木「キョン……君だって将来どうなるかわからないんだ。 掲示板で「ハゲ自覚しろ」とまで言われて、本人もかなり紆余曲折の末に、 今の髪型を受け入れたんだから、あまり肉体的な所につっこんではいけないよ」 キョン「う……」 佐々木「まあ僕は男性の魅力は髪の量では測れないと思うので、どうなっても気にしないよ」 キョン「それにしても、いつみてもすごいタフガイだよな、マクレーンって」 佐々木「……やっぱりスルーか。 まあ、確かに非常によくできたアクション映画の金字塔だし、ウィリスの出世作として 評価するが、僕は、それ以前の「ブル-ムーン探偵社」のデヴィッドを演じる彼のファン だったのだよ。この映画以降、彼はマッチョな役が中心で、 デヴィッドのように、とりたてて目立つ能力はないが、軽妙で心優しく、人の心をひきつける、 という役は二度とやらなかったのが残念でもあるのさ。 まあ、僕の好みが、ちょっと特殊なのかもしれないけどね(ちらり)」 キョン「……佐々木、おまえ」 佐々木「……な、なんだね、キョン」 キョン「いくらなんでも、1985年放送のブルームーン探偵社のファン、はまずいだろ。年代的に」 佐々木「……キョン、つっこむ所はそこじゃない、そこじゃないんだ」
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1338.html
36-995「きよんくんとあったひ」 36-969「佐々木と長門の会話」 36-948「キョコン」 36-927「佐々木と国木田」 36-868「プール仕舞い」 36-812「キョン肉まん」 36-714「血液型占い」 36-703「レッツ輸血」 36-692「血液型占い」 36-539「典型的主人公」 36-500「駄文ですorz」 36-406「11時の夕ご飯」 36-252「今度海に行かないか」 36-77「偽者談義」
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/799.html
「おっと」ドン 「あっ」 ドッボーーーン 「ああっ!キョンが池に!!」 「ゴバゴボ!ゴボゴボゴボゴボ…」 「待ってて!今助けるから!」 「ゴボ!ゴブガバ…ゴボ…ゴ…ボ……ゴ…プ…」 「あああ!沈んでしまった…」 ………ゴ……ボ……ッ 「!?」 ……ゴ…ポ……ゴポ…ゴボッ 「え?」 ゴボゴボゴボゴボゴボボボボ ザバアアアアアアアアア 「池の中からキョンを抱えた女の人が!誰だか知らないけどありがとうございます!!」 「あなたが落としたのはこのフラグを折らないキョンですか?」 「えええ!?あ…えと違います」 「そうですか」ドボーン 「投げ捨てた!?」 「それではこちらの(グイッ)中学時代に仲の良かった女の子へ密かな好意を寄せつつも 進路を違えたために疎遠になってしまったが、ひょんなことで再会したことにより 想いが再燃し、これまでとは打って変わって積極的に逢うようになり、 ある日の予備校帰りに待ち合わせた駅から帰る途中に寄った夜の公園で これまで溜まりに溜まった想いの丈を告白するタイプのキョンですか?」 「タイプって。ちょっといいけどそれも違います。私が落としたのは普通のキョンです」 「…あなたは正直者ですね。よろしい。あなたにはこの3人のキョンを授けましょう」ペイッ ドサドサッ 「えええええ!?」 「それでは…」ゴボゴボゴボゴボボボボ 「………」×3 「どうしよう…」
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/976.html
そのノイズが僕を襲うようになったのは何時のことだったろう。よく、覚えていない。 たぶん、それは彼に会ってから、彼と友達になってから、最初は小さくて、僕の耳に届いてい なかった。だけど、それは、春を越えて、夏を過ぎ、秋を迎え、そして冬に至る頃にはよく聞こ えていた。 中学校の卒業を前にした最近の私は眠りが浅くなったような気がする。ひどく夢見が悪い のだ。 夢の中で私はいつもひとり、真白な部屋でひとり、彼が来るのを待っている。彼が来てくれ ないかって泣いている。逢いたいって、声をききたいって、アイシテルって告げたいって。起き たとたんにそんな夢は忘れる、忘れなきゃ……いけない。だけど、そんな時はなぜだか、私は 泣いているのだ。即座に自己嫌悪が襲ってくる。彼はずっと僕に友情をくれたではないか、私は その締めくくりに彼を裏切るつもりなのか? 嫌だそんなのは嫌だ。別れ際くらいクールに行こう。 うそつきな僕は、私のささやきを無視する。 ノイズは毎日、僕を襲う。彼に挨拶をしている時、彼とちょっとした雑談をしている時、 彼と真面目に勉強をしている時、不意にそれは襲ってくる。 こんなに近くで見つめているのに、どうして、ただの友達なの。 くだらない繰り言だ。僕はこんなノイズに耳を貸したりはしない。彼は僕に好意を、持って くれてる、でも、それは友人としてのものだ。僕にはそれが必要だった。僕にはそれで十分 だった。愛してるなんて言って何になる。それは僕が彼の笑顔を失うだけのことじゃないか。 だけど、どうして、こんなに、毎日、毎日、胸が苦しくなるのだろう。こんなことなら、彼と トモダチにならなければ……よかった? いや、そんなはずはない。そんな訳はない。もう一度、あの春の日に戻っても、僕は彼の 友達になりたい。 卒業式もほど近いある日、久しぶりに彼の自転車の後ろに乗った。つい先月まで毎週二回 欠かさずに乗っていた場所だった。でも、ちょっとした間に、そこは知らない場所のように固く 私を迎えた。 あと何回、この自転車に乗れるのかな? 「別に、こんなの乗りたきゃ、いつだって乗せてやるよ」 彼はぶっきらぼうに、そう言って、いつもと同じように微笑んだ。いや、私には彼の背中しか 見えていないから、本当は違うのかもしれない。でも、彼とはもう一年も付き合っているのだ。 こんな時、彼は何時だって、困ったように微笑んだ。私の大好きな彼の表情を、私は何度も 見ていた。 彼に確認を取った訳じゃない。でも、もうお互いわかっていた。もうすぐ卒業、こんな日は、 彼とふたりで彼の自転車に乗ることなんて、もう二度とないって。 彼の声には応えず、あいまいに微笑んだ。たぶん、伝わっている。彼の背中からそう感じた。 こんなに微妙なものは伝わるのに、彼に伝えたいほんとの気持ちは伝わらない。 ノイズが、耳触りな雑音が、聞こえてくる。 もう止めて、こんなのもういや、どうして言わないの、私たちもうお別れなのよ。情けない 自分が心のどこかで悲鳴を上げた。 大好きなのに、彼のことアイシテルのに。 ほんとは、ほんとは、ずっと好きだった。 いつでも、いつでも、愛し続けてた。 こんな気持ちは意味のないノイズだ。卒業したからといって彼との友人関係がなくなる訳で はないはずだ。それともこんなノイズに身を任せて彼との掛け替えのない絆、友情すらも失う つもりなのか、僕は。 二度と、彼の笑顔がまっすぐ見れないかもしれない。彼のそんな顔は見たくない。私のそん な顔は見せたくない。でも、なぜ無視しきれないのだろう。 卒業式。 無事に式を終えた私たちは、何となく立ち去りがたく、体育館の前で、写真を撮ったり取ら れたり、していた。部活動を行なっていた生徒は後輩と何かを喋っている。特に誰に声を掛 けられるわけでもないのに、桜の下、彼を待っていた。 「どうした、調子、悪いのか? それとも泣けちゃったとか?」 巫山戯たように声を掛けてくる彼、欠伸をする振りを加えて、答える。 単に寝不足なだけだよ、最近買った本が面白くてね、昨日遅くまで読み込んでしまった。 ほとんど、徹夜みたいなものだね、まったく今日がハレの日だってことぐらい知っていたのに ね。この年になっても、押さえがたい気持ちというのはあるものだ。 一番大事な人にも嘘ばかり、一番大事な事も告げずに、嘘ばかり。 ヤメロ、ナニを言うつもりだ。ヤメロ。 ほんとは、ほんとは、ずっと好きだった。いつでも、いつでも、愛し続けてた。 「……ありがとう……僕と友達になってくれて。……この一年、キミといられて、楽しかった、 充実していた。この中学での三年間を、キミと出会ってからの一年間を僕は忘れない、決して」 こんなに、こんなに近くにいるのに、こんなに、こんなに強く思っているのに。どうして、 あなたには伝わらないのだろう。伝えられないのだろう。 最後に彼に掛ける言葉が、自分の本当の気持ちで最高の嘘だなんて。 「ああ、俺もだ。ありがとう」 向こうから級友が彼を呼んだ。なんども、なんども、彼を呼んだ。 それじゃあね、手を振って別れた。 卒業証書の入った筒を振って彼は背中を向けた。彼の背中が遠くなる。 行かないで、行ってしまわないで。 ほんとは、ほんとは、ずっと好きだったの。 ずっと、ずっと、見ていたの、毎日、毎日、見ていたかったの、大好きなの、大好きだったの。 いつでも、いつでも、愛していたの。 いつでも、どこでも、なんどでも、告げたかったの。 笑うことができない。 頬がこわばる。 喉から音が、漏れる。 瞳が熱い。 ……ダメだ。泣くな、彼が気づく。 “僕”はそうじゃない。そうじゃないだろう。 笑うんだ、唇を振るわせるな、平静を装うんだ。 いつもしていることじゃないか、最高の笑顔を彼に刻むんだ、 私のことを彼が忘れてしまわないように。 微笑んで、彼を見送った…………。 アイシテル、空にささやく。 I m so in love with you. 空を行く雲と散る桜だけがそれを聞いていた。 Epilog 一年後。 自転車置き場にその背中を見つけた時、時間が止まったような気がした。 あの春の日に戻れたような気がした。 何度も、何度も夢見た背中。 失ってしまった気持ちが耳に心地よいノイズを送り出す。もう、迷わない、もう、間違わない、 もう、見失わない。 ほんとは、ほんとは、ずっと好きだった。いつでも、いつでも、愛し続けてた。 彼のよく知っている僕の笑顔を浮かべる。 「やぁ、キョン」
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/225.html
「チキチキ!第2回シャミセンの中の人になってキョン君と一つ屋根の下ですごす特典争奪大会!!!」 えー、司会はわたくし、年齢不詳のメイドこと、森でお送りします。 前回、いつの間にか開始され円満に解決した第1回は大変な好評で、こうやって即座に第2回の開催が決定となりました。 手法が確立しましたので、今回からは絶対に安全です、機関と情報統合思念体と天蓋領域で保証します。 「私の組織も保証してます!」 はい、お嬢ちゃんは黙ってなさいね。 エントリーは次の人たちです。 まずは前回王者、というか自分勝手に開催して他の女性陣と一部男性から嫉妬の炎でこんがり丸焼けした佐々木さんだ!! 「くっくっ、ひどい言われようだね」 続きまして、王道にして本命。分かってないフリして全部分かってるんじゃないのか?涼宮ハルヒ!! 「ねえ、なんか騒がしくない?」 アニメ2期の主役はあなたで間違いない。もはや綾波の亜流とは呼ばせない、長門有希!! 「・・・負けない」 天然なのか腹黒なのか、いまだその正体に答えが見えないドジっ子メイド、朝比奈みくる!! 「ここでどこですか?あたし、何されるんですか?」 将来性は抜群、一部には即戦力としても大人気だ、ミヨキチこと吉村美代子!! 「あの、お兄さん、何かのお祭りですか?」
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1692.html
※本項は、長編「65-459 ディナーへようこそ!」を段落毎に分ページ化したものです。内容は共通となっております。 中学時代の、ある日曜日のことだ。 「……ふう」 週末に出された宿題に対して消極的サボタージュを実施していた所、塾帰りの四方山話の中で佐々木にあっさりと看破されてしまった。 それでも俺は俺の寄って立つ道理による熱弁を奮ったのだが、まぁ佐々木の言わんとする、世間的、学校的、家庭的価値観に対して俺の孤立状況はいかんともしがたく、結局の所、あいつの部分的支援策を受け入れることによる全面的妥協に至ったというわけだ。 そんな訳で俺ん家で今、二人で宿題を片付けている。 「……ん、さすがに根を詰めすぎてしまったかな」 佐々木の眼が、長い睫毛越しに俺を見た。 俺は手元のノートを指し示し、 「いや、でもお陰でそろそろ終わりそうだ。ありがとな、佐々木」 お礼を言う。 「どういたしまして、だ。……それにしてもキョン、キミはやればできるのにどうして勉強を忌避するんだい? こんなのは単純な努力の単調な積み重ねだよ?」 口元を綻ばせる佐々木の表情は、説教のそれとはほど遠い。 俺は喜んでその話題に飛びついた。 「単純で単調なのはつまらんからだ。むしろ飽きずにやれる方が信じられん」 「努力した軌跡がそのまま結果に繋がるんだ。面白いと思うけどね」 「見解の相違だな」 「だけどね、キョン……」 佐々木が笑みを深めたタイミングで、 ノックもせずに、いきなり部屋の扉が開いた。 「キョンくん、おやつだよ~~」 ノックをしなさい、といつもの如く叱り付けるのだが、やはりいつもの如く、妹の笑みに翳り一つ生むことが出来ない。……まぁ、無駄と分かっていてもやらなきゃいけないことがあるのさ。馬の耳よりはマシだろ? 「やれやれ、じゃあ休憩ってことでいいか?」 目を向けると、 「ああ」 佐々木が笑った。 リビングへ入ると、すでに女の子が1人座っていた。 「おぉ、キミも来てたのか」 慌ててその子が立ち上がる。 「おじゃましてます、お兄さん。あ……」 「おや、初めまして。キョン、誰だい? この愛らしいお嬢さんは」 そうか。初対面になるんだな、この2人。 「ミヨキチ……あー、妹の友達の吉村さんだ。吉村さん、コイツは……」 「こんにちは。佐々木です。どうぞ宜しく」 「……あ、こちらこそ……」 戸惑いながらも差し出された手を握るミヨキチ。 しかし佐々木、握手とはまたずいぶん洋風な挨拶だな。なんかの冗談かと思ったぜ。 そんな俺の思いをよそに、佐々木が目を針のようにして微笑んだ。……針? 「学校では見かけないけど、2年生でいいのかな? それとも1年生? ふふ、大人びて綺麗ね。だからちょっと見当もつかないな。もしかして私立?」 「……えっと……」 手を握ったままこちらを見るミヨキチ。 なんとなく庇護欲的義侠心に駆られて、俺は半歩踏み出した。 「佐々木、吉村さんは……」 「ミヨちゃんはあたしのクラスメイトだよ!」 “ミヨちゃん”に抱きついて、妹がニカッと笑う。 「あ……」 「えー……、そう、そうなんだ。ごめんね、吉村さん。大人びて見えたから見えたから勘違いしてしまったの。でも、いくらなんでも間違えすぎよね。ごめんなさい」 「いいんです。慣れてますから」 妹を両手で抱き返しながら、柔らかく微笑むミヨキチ。 「ミヨちゃん、今日はミニシューだよ! 1人3個だって! 一緒に食べよっ?」 「うん」 2人がミニシューの入った箱をリビングの机に持っていく。 (キョン?) 俺も続こうとしたけれど、佐々木の目に射止められた。 (そんな顔するな。ホントに妹の同級生なんだって) (そうなのかい?) まだ納得できないような、教科書を前にした時は決して見せないような顔つきを佐々木はしている。 (しかし……発育の早い子は早いんだね) (ああ。とても妹と同い年には見えん。5年後にはどうなってしまうのやら) 俺は万感の思いを込めて呟く。例えば身長、例えば肩のライン、その同位置エネルギーやや下の曲線、くびれから太ももに至る柔らかな道のりやその足首と指の細さときたら……。 (キョン、鼻が膨らんでる) 佐々木が眼を眇めて俺を見上げた。 何か言いたいようだが俺は美術的芸術品を拝見する心持ちでいただけだぞ。 だからそんな顔をされても何ら疚しくはならないんだ。本当だぞ。ちょっと怖いがな。 「キョンくんササにゃん食べないのぉ? いらないなら4コめ、いただいちゃうよぉ?」 おっと、油断も隙も……って、こらこら全く、どこに乗ってハシャいどるんだお前は。 「意地汚い真似はやめなさい。机の上から降りなさい!」 「はーい」 お袋も居るんならちゃんと躾けて欲しいぜ。俺がコイツくらいの時よりずっと甘やかしてないか? 「「ふふっ」」 何がおかしいんだか、ミヨキチと佐々木が笑った。 「ん?」 佐々木がそれに気付き、 「……」 ミヨキチは俯く。 ……なんなんだろうね、この空気は。 おやつを食べ終えて。 そしたら妹が俺の後へやってきて、肩に手を付きホッピングしながら唄うように笑った。 「キョンくん、いっしょにゲームやろ?」 ゲームやるって、それはつまり俺の部屋に来るということか? 俺が勉強中だっていまいち解ってないみたいだな。 俺は再び説教しようと口を開いたが、 「あ、わたしも……ゴイッショシタイデス」 ミヨキチにまで言われては仕方がない。 「おお、まぁ少しくらいなら……」 「キョン」 「……と思ったが、やっぱり受験生なんでな。まぁまた今度だ」 「えーっ!」 「……ソウデスカ」 「受験終わったらたっぷり遊んでやるから。だからそんな顔するな。ほら、ミヨキチも」 なでり、なでり。 「……えへへ、キョンくん手ぇおおきいね」 「……アタタカイデス」 二人がソワソワと喜んでくれるもんだから、俺の眦が下がっても不思議はないだろう? 「キョン」 なのに佐々木ときたら、検事の答弁に異議を申し立てる弁護士のような目付きをした。 「っと。……ああ、分かってるよ佐々木」 塾の課題や予習もある、時間はないって言うんだろ? 解ってるから睨むなよ。怖いから。 「じゃあ悪いなお前ら。お兄ちゃん達これから勉強だから。静かに遊ぶんだぞ」 「はーい!」 「はい、お兄さん」 リビングを後にした俺達は、階段を上っていた。 「若い娘に大人気だね、キョン。羨ましい限りだよ」 「変な言い方すんなよ。親戚にガキが多いから慣れてるだけさ。お前だって笑いながら一緒に遊んでやればすぐに仲良くなれるぞ。簡単なもんさ」 「……そうだね。検討しておく」 ~ その頃リビングでは ~ 「心配ないよミヨちゃん。ササにゃんはいつもあんな感じだし、恋人なんてことぜんぜんないんだから」 「そっかな……」 「応援するからさ。がんばろ? ササにゃんのマの手からキョンくんを救い出して、いっしょに遊ぶんだ!」 「オオッ……」 「声がちいさい!」 「……おお……!」 ディナーへようこそ!シリーズ 65-459 ディナーへようこそ!「1-おやつの後はゲームでも」 65-459 ディナーへようこそ!「2-遊びタイムはごいっしょに」 65-459 ディナーへようこそ!「3-一日デートは誰のもの?」 65-459 ディナーへようこそ!「オマケ)自転車を止めて小銭を払い、中学時代の四方山話(『分裂』P69より)」 65-459 ディナーへようこそ!※同シリーズ一括表示板(以上4篇をそのまま1ページ表示にしたもの)。 ※作者注『驚愕』発売前にプロットを考えたため、キョン妹が佐々木を呼ぶとき『佐々木お姉さん』 ではありません。パロディという事で大目に見てやってください。 というか『お姉さん』って、ちょっと他人行儀すぎますよね? 作者さん:ken ◆AEiPDPXrnI
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/610.html
佐々木さんの閉鎖空間で神人が暴れだす 村人A「何で僕がこんな役を……。 おそろしやー、大魔神さまがおいかりじゃー(超棒読み)」 ぷちっ 村人B「--ああ、村人Aが、……ど根性ガエル?」 村人C「大変なのです。大魔神さまのお怒りを静めるには、 キョンさんを聖なる生贄に差し出すしかないのです!」 生贄予定A「……ちょっと待ておまえら。何だこの寸劇は?」 SOS団の場合 閉鎖空間で神人が暴れだす 村人A「大魔神さまがお怒りのようです。 怒りを静めるには大魔神さまの生贄となり、 熱いベーゼを交わすか、あるいはその先までガッツンガッツン行っちゃって、 大魔神様を満足させてください。 あ、僕はあなたの後ろさえ未使用であれば文句は言いませんのでお気遣いなく」 村人B「はわわわわわ。大魔神様のお怒りをとにかく静めてくださーい」 村人C「……キスまでは許容範囲。また図書館に」 大魔神B「……何故だろう、僕らの方がよっぽど平和的な気がするよ」 生贄予定A「どっちにしろ俺の人権は蔑ろにされている気がするんだが」